キューバの思い出 3

 要塞

 メキシコ湾からハバナ港に通ずる運河沿いに要塞が4つある。旧市街側にプンタ要塞とフエルサ要塞、反対側にモロ要塞とカバーニャ要塞。今回はモロ要塞とカバーニャ要塞について紹介したい。

 モロ要塞へは旧市街地から海底トンネルを通って行く。トンネルは1955~57年にかけて作られたものであり、733mの長さがある。短い距離だが歩いて渡る事が出来ないので、乗り物を利用しなければならない。私たちはヘミングウェイツアーが終わった後、ガイドさんに頼んでモロ要塞まで送ってもらった。かって、モロ要塞と対岸のプンタ要塞間には太い鎖が渡されており、ハバナ港に出入りする船の管理を行っていたそうである。

1762年、イギリスにモロ要塞を襲撃され、1年間の攻防の末ハバナは占拠された。1年後、スペイン政府はフロリダと交換してこの地を取り戻した。その後、自衛力を強化するために、隣接する土地にカバーニャ要塞を建設した。要塞としての必要性が無くなった後は牢獄として使用されて来たが、現在は灯台の役目も果たしている。モロ要塞から見る真っ青な空と海、市街地の風景は誠に素晴らしい。

私たちの訪問の第一目的は夜9時にカバーニャ要塞で行われる大砲の発砲儀式。儀式まで7時間もあるが、あちこち見て回っていれば時間はすぐ立つと思ったのが大間違い。モロ要塞を1時間ほどで見終り、お土産屋を覗いたり、砂糖きびジュースを飲んだりして時間を過ごしたが、9時までは長い。

 

       モロ要塞                 大砲

  

オイ! サトウキビジュース要らんかえ?         大砲群

 

 モロ要塞とカバーニャ要塞の間      モロ要塞とカバーニャ要塞の間

 

カバーニャ要塞入口まで来て、まだ時間がたっぷりあるし、どうやって過ごそうかと思案しながら休憩していた。そこへ日本人の学生が通りかかった。SiCのセンサーへの応用を研究している東北大学の大学院生で、現在メキシコの大学でスペイン語の勉強中と言う。30分ほど話をし、バイバイ。その後、5cuc払いカバーニャ要塞に入った。何故か6時以降に入ると8cucと高くなる。普通は時間が長いほうが高いのに・・?

 

    カバーニャ要塞入口                 要塞入口の橋

 要塞入口の橋には巻き上げ用のウインチと鎖が付いていた。現在はコンクリート製の固定橋なので、巻き上げは不可能であるが、かっては木製の橋だったと推察される。

 

  チェ・ゲバラ博物館の警備兵          カバーニャ要塞

 

 カバーニャ要塞から旧市街地を望む    カバーニャ要塞からモロ要塞を望む

 

 発砲儀式は一番前にいないと見えないとガリアさんから聞いていたので、7時から最前列に並んで待っていた。9時ジャストに儀式が始り、15分後に体全体に響き渡る大音響でド~ン! 長時間待って、これ一発かよ~!! Nさん、ぼやく事、ぼやく事。

 

       発砲儀式              火薬詰め作業     以上