前JICA シニアボランティアー パラオ共和国 橋本 力  (2005~2007)

パ ラオって?日本から南へ約3,000km、グアムから約1,300km、北緯6°〜8°に位置し、日本からは飛行機直通便で4時間半位かかります。パラオ 諸島は約586の島から成り、面積458平方kmで日本の屋久島とほぼ同じです。主な島はバベルダオブ島(332平方km)で他コロール、ペリリュー、ア ンガール島が大きな島です。火山の噴火で海底が隆起して出来た島で周りは珊瑚礁に囲まれています。気候は海洋性熱帯気候で高温・多湿です。平均気温は一年 を通じて27℃〜28℃で、季節は夏と冬に分けられるそうです。熱帯植物の椰子の木、ビンロウジュ、プリメイラ(国花)を始め、ハイビスカス、ブーゲンビ リアなどの花が咲き乱れています。風は7月から11月は強くなり、ここで「台風の眼」を製造して日本に輸出しています。

パラオの人口は2万人弱でパラオ人が7割で残り大半はフィリッピンの出稼ぎであり、その他中国、韓国、アメリカ、日本(約300人)など他民族が住んでいます。産業は観光が中心でわずかばかりの農業と漁業があります。

戦前は日本が統治しており、太平洋戦争では南の最前線でしたが、激戦で約2万人の尊い命が失われました。毎年慰霊団が訪れ、英霊に供養を捧げています。

1994年に独立をしてパラオ共和国となりましたが国家予算の半分以上はアメリカ、日本、 

台湾からの海外援助で成り立っています。日本も要請によりJICA(国際協力機構)の人的資源

(教 育、環境、医療管理、コンピューター等)に寄与しています。また、ODA(国際援助活動)では、インフラ整備を支援し、道路、ごみ処理場建設等に援助して います。その中でバベルダオブとコロールを結ぶつり橋は「フレンドシップブリッジ」と呼ばれ両国の架け橋になって感謝されています。今後も各国の援助に頼 らざるを得ないようです。

生活は南の島の特徴か国民はのんびりと暮らしていて人情味あふれ、誰にでも気楽に挨拶や 

話 かけてきます。時間にルーズで待つのは当たり前で何とも思っていません。食料は伝統的に魚、タロイモ(里芋に似たもの)、タピオカ、バナナが主食です。野 菜は殆ど食べなくて大人になると太って糖尿病が多く見られるのが心配です。コロール市内には大きなスーパーマーケットが3軒あり殆どの食品が手に入りま す。日本の醤油、マヨネーズ、味噌、豆腐等も好まれています。

特に「さしみ」は醤油とわさびで食べるのが大好きです。

私の当地における任務ですが2005年10月に派遣され、教育省(日本の文科省)に所属し、初等算数教育のアドバイザーの仕事をしていました。現地教員を対象に「教授法」の指導、研究指定校の研修会でのアドバイス、学校訪問による模擬授業等に携わっていました。

アンガール島のアンガール小学校の学校訪問(右端が筆者)

殆 どの教員は教員の免許をもっておらず、高校卒業で教員になっているものが半分近くいます。知識のみを追求し「教え方」が不十分であり、今後は教員を養成す る機関の設置が望まれます。休日はストレス発散のためトローリング、スキューバ・ダイビング、テニス、カヤッキングを楽しみました。              

 

 

70からの島からなるセブンティアイランド

魚の数は200〜300種類いるといわれています。一度病みつきになると又行きたくなる気持ちになる心境でしょうか。

                      パラオ共和国派遣  橋本 力